「ヤマハ ドライバー飛ばない」と検索してこの記事にたどり着いたあなたへ。実はその疑問、多くのゴルファーが一度は抱くものです。しかし、それは過去の一部モデルに対する印象であり、現在のヤマハドライバーにはまったく当てはまりません。本記事では、ヤマハドライバーの誤解と真実を解き明かし、なぜ「道具屋が一番飛んだのはコレ」と評価されたのか、その裏付けとなるテクノロジーを紹介します。
プロが「飛ばないより曲がらないを選ぶ」と語る理由、そしてRMXシリーズの進化によって操作性と飛距離性能を両立させた背景も解説。また、特に注目されているRMX VD59の調整方法と直進安定性、さらにInpresシリーズが多くのゴルファーから「評価されるやさしさ」とされる理由にも迫ります。
新たに搭載されたBull’s-eye Faceで初速アップを図った最新モデルや、飛ぶドライバーや名器はどれかといった比較も交えながら、最適なヤマハドライバーを見つけるためのヒントを提供します。
- ヤマハ ドライバーが飛ばない印象の原因とその誤解の正体
- 最新RMXシリーズのテクノロジーと進化ポイント
- 各モデルの特性やプロが選ぶ理由の理解
- 自分に合ったヤマハドライバーの選び方
「ヤマハのドライバーは飛ばない」のか?
この章で解説する項目
- ヤマハドライバーの誤解と真実
- 道具屋が一番飛んだヤマハのドライバーはコレ
- プロは飛ばないより曲がらないを選ぶ
- ドライバー RMXシリーズの進化
- VD59 調整 方法と直進安定性
- Inpres ドライバー 評価されるやさしさ
ヤマハドライバーの誤解と真実
ヤマハのドライバーは「飛ばない」という声を聞いたことがあるかもしれません。しかし、結論から申し上げると、この認識は現代のヤマハドライバーにおいては大きな誤解であり、その真実は「飛ばない」のではなく「曲がらない」性能を極限まで追求した結果であると言えます。
なぜこのような誤解が生まれたのかというと、過去のヤマハドライバー、特に2019年や2020年モデルのRMXシリーズは、ルール上限に迫るほどの「高MOI(慣性モーメント)」を追求していました。慣性モーメントが高いと、フェースの芯を外してもヘッドのブレが少なく、ボールが真っすぐに飛びやすいという利点があります。しかし、その一方で、重心角が大きくなる傾向があり、プロが求めるような繊細な操作性や、意図的にボールを曲げる能力が犠牲になる側面がありました。このため、一部のプロゴルファーや、操作性を重視するアマチュアからは「思ったように操れない」「飛ばない」といった印象を持たれることがあったのです。例えば、今平周吾プロが2016年モデルの『RMX116』ドライバーを長年愛用し続けたのは、当時の新作よりも『116』の持つ小ぶりで操作性の良い特性を重視していたためです。
しかし、ヤマハはそうした声に真摯に耳を傾け、最新のRMX VDシリーズやinpresシリーズで劇的な進化を遂げました。単に高MOIを追求するだけでなく、プロが求める操作性とアマチュアが求めるやさしさを両立させる技術開発に注力したのです。特に、新RMX VDシリーズでは、重心角や重心深度、重心距離を細かく調整できる可変ウェイトシステムを導入し、ゴルファー一人ひとりのスイングタイプや好みに合わせて最適なパフォーマンスを引き出せるようになりました。
確かに、過去の特定のモデルにおいては、高MOIの追求が最優先され、それが一部のゴルファーにとって「飛ばない」と感じられる要因になったかもしれません。しかし、それは「曲がらない」という圧倒的な強みと引き換えに得られた特性であり、決して性能が劣っていたわけではありません。そして、現在のヤマハドライバーは、その「曲がらない」強みを維持しつつ、最新のフェース技術やヘッド設計によって飛距離性能も大幅に向上させています。
したがって、「ヤマハ ドライバー 飛ば ない」という認識は、もはや過去のイメージに過ぎません。現代のヤマハドライバーは、プロが実戦で結果を出すほどの高い直進安定性と、誰もが飛距離を伸ばせる最新技術を兼ね備えた、非常に優れたクラブへと進化を遂げているのです。
道具屋が一番飛んだヤマハのドライバーはコレ

超軽量1Wヘッド ヤマハ インプレスX RMXドライバー9度です。
飛んだ秘密はヘッド重量にあります。一般的なドライバーヘッドが200g台であるのに対して、このヘッド重量は179g(ウエイト4g×2)です。本来のウエイトは13gなので、18g軽い仕様となっています。発売日 2012年11月ですので、中古で見つければ数千円で手に入りますが、ウエイトを入手するのは、骨が折れるかも。
これに、重量113g(スリーブ・グリップ込み)のスピーダーエボリューションEVO 4 Ⅳ 569 Rを組み込み、292gで仕上げた結果ヘッドスピードが5m/s増えました。

ただし、軽くて柔らかい分良く曲がりました。
プロは飛ばないより曲がらないを選ぶ

ヤマハドライバーが多くのプロゴルファーに選ばれ、実際にトーナメントで勝利を収めている最大の理由は、その卓越した「曲がらない」性能にあります。プロにとって、飛距離はもちろん重要ですが、それ以上に求められるのが、狙った場所に正確にボールを運ぶ「方向性」と、刻々と変化するコース状況に対応できる「操作性」です。ヤマハは、この二つの要素を高いレベルで両立させることで、厳しい“番人”たちをも納得させてきました。
なぜヤマハドライバーが「曲がらない」のか、その理由は最新の技術革新にあります。特に注目すべきは、RMX VDシリーズに搭載された「Bull’s-eye Face(ブルズ・アイ・フェース)」と、重心角を調整しても慣性モーメントが変化しない独自の可変ウェイトシステムです。従来のドライバーでは、最もボール初速が出るフェースセンターと、高打ち出し・低スピンの理想的な打点(フェースセンターのやや上)にズレが生じていました。しかし、ヤマハはフェース下部の肉厚を調整することで、最もたわむエリアを理想の打点に移動させ、飛距離の三要素(ボール初速・打ち出し角・スピン量)を同時に最適化することに成功しました。これにより、プロは安心してクラブを振り抜き、ミスヒット時でも飛距離の落ち込みや方向性のバラつきを最小限に抑えることができるのです。
具体例として、今平周吾プロが長年愛用してきた『RMX116』から、ついに最新の『RMX VDプロトタイプ』にスイッチし、見事に勝利を収めたことが挙げられます。彼が『116』を替えられなかった理由は、その操作性の良さにありましたが、『VD/R』は『116』の操作性を引き継ぎつつ、初速性能とミスヒットへの許容性を格段に向上させました。また、神谷そらプロや藤田寛之プロが『RMX VD/M』で勝利していることも、このクラブの「曲がらない」性能と、プロの要求に応える操作性のバランスが優れていることを証明しています。プロは風向きやライの状況に応じて、ドローやフェードを打ち分ける必要がありますが、VDシリーズの重心調整機能は、ヘッドの挙動を直感的にコントロールすることを可能にし、彼らの緻密な要求に応えているのです。
もちろん、プロは単に「曲がらない」だけのクラブを求めるわけではありません。彼らは、自身のスイングやその日のコンディションに合わせて、クラブの特性を微調整できる柔軟性も重視します。ヤマハは、±2度まで拡大されたロフト可変幅を持つ新スリーブや、重心位置を細かく調整できるウェイトシステムによって、この柔軟性を提供しています。これにより、プロはクラブを「道具」として最大限に活かし、最高のパフォーマンスを発揮できるのです。
結論として、ヤマハドライバーがプロに選ばれるのは、単に飛距離が出るだけでなく、その圧倒的な「曲がらない」性能と、それを支える高度な調整機能、そしてプロの感性に響く打感と形状が、彼らの厳しい要求を高い次元で満たしているからに他なりません。
ドライバー RMXシリーズの進化
ヤマハのRMXシリーズは、かつての「高MOI偏重」というイメージから大きく脱却し、現代の多様なゴルファーのニーズに応えるべく、劇的な進化を遂げました。この進化は、単に飛距離を追求するだけでなく、ゴルファー一人ひとりのスイングタイプや求める弾道、操作性といった要素にきめ細かく対応することを目的としています。
なぜこのような進化が必要だったのか、その背景には、過去のRMXシリーズが極端な高MOIを追求した結果、一部のゴルファー、特に操作性を重視するプロから敬遠された時期があったことが挙げられます。しかし、ヤマハはその経験を糧に、プロの意見を真摯に受け止め、より幅広い層のゴルファーが「本当に使える」クラブを目指して開発を進めました。その結果が、従来の2機種体制から、可変調整機能を備えた3機種(RMX VD/R、RMX VD/M、RMX VD/X)へとラインナップを拡充したことです。
具体的に見ていきましょう。まず、最も操作性を重視するゴルファーや、ヘッドスピードの速い男子プロ向けに開発されたのが『RMX VD/R』です。このモデルは、445ccと小ぶりなヘッド体積で、浅重心設計により低スピンで強い弾道を生み出します。ソールのスライドウェイトで重心距離を±1.75mm調整できるため、フェードやドローといった球筋を自在に操りたいハイレベルなプレイヤーに最適です。今平周吾プロが長年愛用した『RMX116』の操作性を引き継ぎつつ、初速性能と許容性を向上させたモデルと言えるでしょう。

次に、操作性と許容性のバランスを追求したのが、スタンダードモデルの**『RMX VD/M』**です。460ccのヘッドで、ソールのスライドウェイトにより重心深度を浅・深方向に2mmずつ調整可能です。これにより、打ち出し角やスピン量をコントロールし、弾道の高さを自在に操ることができます。神谷そらプロや藤田寛之プロがこのモデルで勝利を収めていることからも、その高い実戦性能がうかがえます。
そして、最も高い直進安定性と許容性を求めるゴルファー向けに設計されたのが**『RMX VD/X』**です。投影面積が大きく、ソールの後方外縁部に4カ所のウェイト装着箇所があり、MOIを5306~5818g・cm²の幅で調整可能です。これにより、最大8度の重心角調整が可能となり、高い直進性能を確保しつつ、球筋のコントロールも行えます。
これらの3モデルに加え、新スリーブ構造ではロフト可変幅が±2度まで拡大され、7.5度から12.5度まで最大5度のロフト幅が選択可能になりました。これにより、ゴルファーは自身のスイングや弾道に合わせた最適なセッティングをより細かく見つけることができるのです。
かつては「高MOIで曲がらないが、操作性が…」という声もありましたが、RMXシリーズは、その高MOIの強みを活かしつつ、プロのフィードバックを元に操作性を高め、さらに幅広いゴルファーが恩恵を受けられるよう、多角的な進化を遂げました。この進化は、ヤマハが単なる飛距離競争に終始せず、ゴルファーの「感動」を追求し続ける姿勢の表れと言えるでしょう。
VD59 調整 方法と直進安定性
ヤマハの『RMX VD59 ドライバー』は、「圧倒的な直進安定性をすべてのゴルファーに」というコンセプトを掲げ、ルール限界に近い高い慣性モーメント(MOI)を維持しながら、独自の調整機能によってその性能を最大限に引き出すことを可能にしています。このモデルの最大の特長は、その「VD59 調整 方法」に隠された、画期的な技術にあります。
なぜVD59がこれほどまでに直進安定性に優れているのか。その理由は、ヤマハが世界初と謳う「MOIを変えずに重心角を調整できる」独自の弾道調整機能「RMX VDウェイトシステム」にあります。従来の可変ウェイトシステムでは、ウェイトを移動させると重心角だけでなく慣性モーメントも変化してしまうことが多く、結果としてクラブのやさしさや安定性が損なわれる可能性がありました。しかし、VD59では、ソールに配置された20gという重いスライド式ウェイトを動かしても、ヘッドの左右MOIがほぼ変わらない設計になっています。これにより、ドローポジション、ニュートラルポジション、フェードポジションのどの設定においても、ルール限界の「曲がりにくさ」を損なうことなく、ゴルファーが求める「スクエアインパクト」を容易に実現できるのです。
具体例として、試打レポートでは、MOIの大きな『RMX VD59』が、ドローポジションでは強ドロー、フェードポジションではややプッシュストレートと、ほとんど同じ球筋しか出ないという結果が示されています。これは、ウェイト調整によって重心角が変化し、ヘッドの挙動がつかまりやすく(またはつかまりにくく)なるにもかかわらず、ヘッド自体の直進安定性が極めて高いため、打球の曲がり幅が最小限に抑えられることを意味します。また、ヤマハはゴルファーが無意識にフェースの真ん中で打とうとする傾向に着目し、最も飛ぶ打点(フェースセンターのやや上)とフェースデザインを一致させることで、自然と最適なインパクトを促す設計も施しています。
過去には、スライド式ウェイトを搭載したドライバーは数多く存在しましたが、その多くはウェイトが軽いため、調整効果を実感しにくいという課題がありました。しかし、VD59に搭載された20gという重いウェイトは、ゴルファーがその変化を明確に体感できるレベルであり、日によってスイングのブレ方やフェースの開閉が異なるアマチュアゴルファーにとって、その日のコンディションに合わせて簡単に調整し、常に最適なスクエアインパクトを手に入れることができる画期的なソリューションとなります。一部で打音が高いという意見もありますが、その高い直進安定性という結果を考えれば、十分に許容できる範囲と言えるでしょう。
結論として、RMX VD59は、単に高MOIであるだけでなく、その「VD59 調整 方法」によって、誰でも簡単に、そして確実に「曲がらない」恩恵を享受できるドライバーです。右へのミスに悩むゴルファーや、朝イチのティーショットに不安を感じるゴルファーにとって、この上なく心強い味方となるでしょう。
Inpres ドライバー 評価されるやさしさ

ヤマハのinpres(インプレス)シリーズは、「ぶっ飛び性能」と「やさしさ」という、一見すると相反する要素を高い次元で両立させていることで、幅広い層のゴルファーから絶大な評価を得ています。このシリーズは、ヤマハの企業理念である「感動を・ともに・創る」を体現するブランドとして、ゴルフをより楽しく、より簡単に、そしてより遠くへ飛ばせるように設計されています。
なぜinpresシリーズがこれほどまでに「やさしい」と評価されるのか。その理由は、ヤマハが長年にわたり培ってきたテクノロジーと、ゴルファーのニーズを深く理解した設計思想にあります。特に、最新のinpres DRIVESTARでは、三菱ケミカルと共同開発した「OCTA ANGLE CARBON FACE(オクタアングルカーボンフェース)」という8軸積層カーボンフェースを搭載。これにより、フェースの広範囲で高い反発性能を維持し、どこに当たっても高初速を生み出すことを可能にしました。さらに、軽量カーボンクラウンとカーボンフェースによって生み出された余剰重量をヘッド後方に最適配置する「COUNTERWEIGHT SYSTEM」により、縦横合計で約9,000g・㎠というルール限界クラスの慣性モーメントを実現。これにより、オフセンターヒット時でも飛距離ロスを抑え、圧倒的な直進安定性を発揮します。
具体的なモデルを見てみましょう。2020年に登場した**『inpres UD+2 (2021)』**ドライバーは、「“今日イチが、連発する”」をコンセプトに、「ぶっ飛び」と「超まっすぐ」の両立を追求しました。フェース周辺の剛性を高めてエネルギーロスを防ぎ、ボール初速を上げる「SPEEDBOX(スピードボックス)」テクノロジーを搭載することで、つかまりやすく、曲がらない方向安定性を実現。ヘッドスピードが遅めの方や、シニアゴルファー、そしてパワーに自信がない方でも、安定した飛距離とやさしさを実感できるモデルとして高い評価を受けています。
そして、inpresシリーズの最新作である**『inpres DRIVESTAR』**は、前作までの「つかまりやすさ」や「球の上がりやすさ」といったやさしさを継承しつつ、中・上級者も満足できるシャープで構えやすいヘッド形状を両立させました。これにより、アベレージゴルファーから上級者まで、幅広い層のゴルファーに最適なモデルとなっています。実際に、inpresアンバサダーの有村智恵プロもツアーでの実使用に向けてテストを行うなど、その性能はプロゴルファーからも認められています。
「やさしい」クラブは飛距離が出ない、というイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、inpresシリーズは、独自の技術で飛距離性能も同時に高めています。また、カーボンフェース特有の打感や打音に対する懸念も、ヤマハ独自の打音解析技術によって解消されており、心地よい打感と打音を実現しています。
結論として、inpresドライバーは、単に「やさしい」だけでなく、最新のテクノロジーによって「ぶっ飛び」性能も兼ね備えた、まさに「すべてのゴルファーに感動を与える」ドライバーと言えるでしょう。初心者からベテランまで、誰もがゴルフをより楽しく、より良いスコアでプレーできるようサポートしてくれる、非常に信頼性の高いシリーズです。
「ヤマハ ドライバー 飛ば ない」を覆す最新技術
この章で解説する項目
- Bull’s-eye Faceで初速アップ
- VD59 ドライバーが飛ばないは過去の話
- 飛ぶドライバーはどれ?最新モデルの選択
- ヤマハの名器はどれ?ドライバー 歴代モデル
- あなたに最適なヤマハドライバーを見つける
Bull’s-eye Faceで初速アップ

ヤマハの最新ドライバーに搭載された「Bull’s-eye Face(ブルズ・アイ・フェース)」は、単なる飛距離アップに留まらない、革新的な技術として注目を集めています。この技術の核心は、ボール初速の最大化と、理想的な弾道を生み出す打点の最適化を同時に実現した点にあります。
従来のドライバーヘッドでは、フェースの最もたわみが大きく、ボール初速が最大になるエリアは、多くの場合フェースの「センター」でした。しかし、ゴルフボールの打ち出し角とスピン量を最適化し、最大の飛距離を得るためには、フェースの「センターよりやや上」の打点でヒットすることが理想とされてきました。この「最も初速が出る場所」と「最も飛ぶ弾道が出る場所」の間に生じていたズレが、ゴルファーにとっての課題の一つだったのです。ゴルファーが理想的な打点でボールを捉えても、必ずしも最大の初速が得られるわけではない、というジレンマが存在していました。
ヤマハは、この長年の課題に対し、フェースの肉厚分布を刷新するというアプローチで解決策を見出しました。具体的には、フェースの「下部を肉厚にする」ことで、下側のたわみを意図的に抑制する設計変更を行いました。この設計変更の結果、フェースの最もたわむエリア、すなわち「最も初速が出るエリア」が、理想的な「フェースセンターのちょい上」へと移動したのです。これにより、ボール初速、打ち出し角、スピン量という「飛びの三要素」がすべて最適な状態で揃う打点が生まれ、ゴルファーはより効率的に飛距離を伸ばせるようになりました。
さらに、ヤマハは人間の感性工学にも着目し、ヘッド形状にも工夫を凝らしています。構えた時に、ゴルファーが無意識に「フェースセンターのちょい上」を「センター」と認識するように設計することで、意識せずとも最も飛ぶ打点でボールを捉えやすくなっています。これは、単なる物理的な性能向上だけでなく、ゴルファーの感覚に訴えかけることで、より高いパフォーマンスを引き出すというヤマハらしいこだわりが表れています。
このBull’s-eye Faceの導入により、今平周吾プロの平均ボール初速が1m/s以上も向上したというデータは、その効果を如実に物語っています。アマチュアゴルファーにとっても、ミスヒット時の飛距離ロスが減り、安定して高初速のボールを打てるようになるため、結果としてトータル飛距離の向上が期待できます。Bull’s-eye Faceは、単に「飛ぶ」だけでなく、「安定して飛ぶ」という、ゴルファーが本当に求める性能を高いレベルで実現した、まさに「事変」と呼ぶにふさわしい技術革新と言えるでしょう。
VD59ドライバーが飛ばないは過去の話

かつて「ヤマハ ドライバー 飛ば ない」という声が一部で聞かれた背景には、2019年や2020年モデルのRMXシリーズが、ルール上限に迫るほどの「高MOI(慣性モーメント)」を追求した結果、操作性が犠牲になった側面がありました。しかし、ヤマハ『RMX VD59 ドライバー』は、その「飛ばない」というイメージを完全に覆し、高MOIによる圧倒的な直進安定性と、誰もが体感できる飛距離性能を両立させたモデルとして登場しました。
VD59が「飛ばない」という過去の評価を払拭できた最大の理由は、その独自の調整機能にあります。従来の高MOIドライバーは、ヘッドのブレを抑えることで直進性を高める一方で、意図的にボールを曲げたり、スイングタイプに合わせて調整したりすることが難しいという課題を抱えていました。しかし、VD59は「MOIを変えずに重心角を調整できる」という世界初の技術を搭載した「RMX VDウェイトシステム」によって、この課題を解決しました。
このシステムは、ソールに20gという重いスライド式ウェイトを配置し、これを移動させることで重心角を30.5°から36°の範囲で調整できるというものです。重要なのは、このウェイトを動かしてもヘッドの左右MOIがほぼ変化しない点です。これにより、ゴルファーは自身のスイングの癖やその日のコンディションに合わせて重心角を調整し、常に最適な「スクエアインパクト」を実現できるようになります。例えば、ドローポジションに設定すればよりボールがつかまりやすくなり、フェードポジションに設定すればつかまりを抑えることができます。これにより、右へのプッシュアウトやスライスに悩むゴルファーは、ウェイトを調整することでフェースの開きを抑え、真っすぐな弾道を手に入れることが可能になります。
試打レポートでも、MOIの大きな『RMX VD59』が、ウェイトポジションを変えても「ほとんど同じ球しか出ない」と評されているのは、重心角が変化しても、ヘッド自体の極めて高い直進安定性が維持されることを示しています。これは、単に「曲がらない」だけでなく、ゴルファーが意図した方向へ安定してボールを運べるという、実戦での大きなアドバンテージとなります。
また、VD59はヘッドの形状にも工夫を凝らし、ゴルファーが無意識に最も飛ぶ打点(フェースセンターのやや上)でボールを捉えやすいように設計されています。これにより、高い初速性能も同時に引き出すことができ、「飛ばない」という過去の評価は、もはや当てはまらないものとなっています。
結論として、『RMX VD59 ドライバー』は、ルール上限に近い高MOIによる圧倒的な直進安定性を維持しつつ、独自の調整機能によってゴルファーが最大限の飛距離と方向性を引き出せるよう設計された、まさに「飛ばないは過去の話」を体現するドライバーなのです。
飛ぶドライバーはどれ?最新モデルの選択
「飛ぶドライバーはどれ?」という問いは、多くのゴルファーが抱く共通の願いであり、常に最新のテクノロジーが注目される理由でもあります。ヤマハの最新ドライバーは、一概に「これが一番飛ぶ」と断言できるものではなく、ゴルファー一人ひとりのスイングタイプや求める弾道特性に合わせて最適なモデルを選ぶことで、それぞれの「最大飛距離」を引き出すことが可能です。
ヤマハの最新ラインナップは、大きく分けて『RMX VDシリーズ(2023年モデル)』と『inpresシリーズ』の二つがあり、それぞれが異なる「飛び」のコンセプトを持っています。
まず、『RMX VDシリーズ(2023年モデル)』は、アスリートゴルファーの多様なニーズに応えるべく、3つのモデルが展開されています。
- 『RMX VD/R』ドライバー:操作性を最重視し、低スピンで強い弾道を求めるハードヒッターや、ヘッドスピードの速い男子プロ向けです。445ccと小ぶりなヘッドで、重心距離を細かく調整できるため、フェードやドローを自在に操りたいゴルファーに最適な「飛び」を提供します。今平周吾プロがこのモデルで勝利を収めていることが、その性能の高さを物語っています。
- 『RMX VD/M』ドライバー:操作性と許容性のバランスを追求した、ネオアスリートモデルです。460ccのヘッドで、重心深度を調整することで打ち出し角やスピン量をコントロールし、最適な弾道の高さで「飛ぶ」ことを可能にします。神谷そらプロや藤田寛之プロが実戦で結果を出していることから、幅広い層のゴルファーが恩恵を受けられるモデルと言えるでしょう。
- 『RMX VD/X』ドライバー:最も高い直進安定性と許容性を求めるゴルファー向けです。投影面積が大きく、MOI調整機能により、ミスヒットに強く、安定して「飛ぶ」ことを追求しています。直進安定性を重視しつつ、球筋のコントロールも行いたいゴルファーに最適です。
次に、『inpresシリーズ』は、「ぶっ飛び性能」と「やさしさ」の両立を追求したモデルです。
- 『inpres DRIVESTAR』ドライバー:インプレスシリーズの最新作であり、8軸カーボンフェースやカウンターウェイトシステムといった新技術により、圧倒的な飛距離と直進性を実現しています。ヘッド形状はシャープで構えやすく、アベレージゴルファーから上級者まで、幅広い層に「飛ぶ」恩恵をもたらします。特に「TYPE-S」は捕まりを抑えた正統派な洋梨タイプで、高い初速と適度なロースピンで飛距離を稼ぎます。
- 『inpres UD+2 (2021)』ドライバー:パワーが少ないゴルファーやシニア層、初心者でも「ぶっ飛び」と「超まっすぐ」を実感できるよう設計されています。ボール初速を高める「SPEEDBOX」テクノロジーにより、やさしく、そして遠くへ飛ばすことを可能にします。
これらのモデルは、それぞれ異なるアプローチで「飛距離」を追求しており、どのモデルが最も「飛ぶ」かは、ゴルファー個人のヘッドスピード、スイング軌道、求める弾道によって変わってきます。例えば、ヘッドスピードが速く、操作性を重視するなら『VD/R』、平均的なヘッドスピードでバランスの取れた性能を求めるなら『VD/M』や『DRIVESTAR』、とにかくやさしく飛ばしたいなら『VD/X』や『UD+2』といった選択肢が考えられます。
結論として、ヤマハの最新ドライバーは、多様なモデルと革新的なテクノロジーによって、あらゆるゴルファーが自身の「最大飛距離」を実現できる可能性を秘めています。最適な「飛ぶドライバー」を見つけるためには、自身のゴルフスタイルを理解し、各モデルの特性を比較検討することが重要です。
ヤマハの名器はどれ?ドライバー 歴代モデル
ヤマハのゴルフ事業は1982年にゴルフクラブの生産を開始して以来、常に革新的な技術とゴルファーの感性に寄り添う製品開発を続けてきました。その長い歴史の中で、数々の「名器」と呼ばれるドライバーが誕生し、多くのゴルファーに愛されてきました。
ヤマハのドライバーの歴史を振り返ると、まず1992年に業界に先駆けてチタンヘッドドライバー「EOSTi-22」を発表したことが挙げられます。これは、当時のゴルフ界に大きなインパクトを与え、その後のドライバー開発の流れを決定づける先駆的な存在となりました。さらに、1996年発売の「POWER MAGIC」は、国内プロのツアー優勝に貢献し、その名を轟かせた名器として記憶されています。
2002年には、ヤマハの企業理念である「感動を・ともに・創る」を体現するブランドとして「inpres(インプレス)」が登場しました。このブランドは、初心者から上級者まで幅広いゴルファーに満足できる万能型ドライバーとして定着し、ヤマハのゴルフクラブを象徴する存在となりました。特に「inpres UD+2」シリーズは、「ぶっ飛び」と「超まっすぐ」を両立するというコンセプトで、多くのゴルファーに支持され、特にシニア層やパワーに自信がないゴルファーにとっての「名器」として評価されています。

そして、2016年にはインプレスの派生ブランドとして「RMX(リミックス)」が確立されました。RMXシリーズは、中上級者やアスリートをターゲットに、より高いパフォーマンスを追求してきました。このRMXシリーズの中でも、特に「名器」として語り継がれているのが2016年モデルの**『RMX116』ドライバー**です。今平周吾プロが2017年のヤマハ契約以来、実に7勝をこの『RMX116』で挙げ、有村智恵プロも替えられなかったという事実は、このモデルがプロが求める操作性と構えやすさを極めて高いレベルで実現していたことを示しています。小ぶりで操作性が良く、多くのプロが「顔が良い」と評したこのモデルは、まさに「プロに愛された名器」と言えるでしょう。

その後、2019年発売の『RMX120』や『RMX220』は、ルール上限に迫る「超高MOI」を追求し、圧倒的な直進安定性で「曲がらない」性能を極限まで高めました。特に『RMX220』は凄まじい高MOIを実現し、ミスヒットに強いドライバーとして、アマチュアゴルファーを中心に支持を集めました。
そして、2021年には『RMX VDシリーズ』、2023年にはその進化版となる『RMX VD(2023)シリーズ』が登場し、高MOIと操作性の両立、そして「Bull’s-eye Face」による初速アップなど、最新のテクノロジーを投入することで、再び多くのプロが実戦で結果を出す「名器」の系譜を築きつつあります。
ヤマハの「名器」とは、単に飛距離が出るだけでなく、その時代のゴルファーのニーズや感性に応え、プレーヤーのパフォーマンスを最大限に引き出す、確かな技術と哲学が詰まったクラブと言えるでしょう。歴代のモデルが築き上げてきた信頼と実績が、現在のヤマハドライバーの評価の礎となっています。
あなたに最適なヤマハドライバーを見つける
「ヤマハ ドライバー 飛ば ない」という誤解が解消され、その高い性能が理解できたところで、次に重要となるのは、数あるヤマハドライバーの中から「あなたに最適な一本」を見つけることです。ヤマハは、幅広いゴルファーのニーズに応えるため、多様なモデルと豊富な調整機能を提供しています。
最適なドライバーを見つけるためには、まずご自身のゴルフスタイルや求める性能を明確にすることが第一歩です。具体的には、以下の点を考慮してみましょう。
- ヘッドスピードとスイングタイプ:ヘッドスピードが速く、操作性を重視するハードヒッターであれば、小ぶりで浅重心、重心距離を調整できる『RMX VD/R』が選択肢となります。一方、平均的なヘッドスピードで、やさしさや直進安定性を求めるのであれば、幅広い層に対応する『RMX VD/M』や『RMX VD/X』、あるいは『inpres DRIVESTAR』が適しているかもしれません。
- 求める弾道:高弾道でキャリーを稼ぎたいのか、低スピンでランを重視したいのかによっても、選ぶモデルは変わります。『RMX VD/M』は重心深度の調整で弾道の高さをコントロールできますし、『RMX VD/R』は低スピンで強い弾道が特徴です。
- 重視する要素:「とにかく曲げたくない」という直進安定性を最優先するなら、ルール上限に近い高MOIを持つ『RMX VD59』や『RMX VD/X』が有力候補です。「やさしく飛ばしたい」という初心者やシニアゴルファーには、『inpres UD+2』や『inpres DRIVESTAR』が優れた選択肢となるでしょう。また、「操作性」を重視し、意図的に球筋を打ち分けたい場合は、『RMX VD/R』や調整幅の広い『RMX VD/M』が適しています。
- スイングの癖:スライスに悩むゴルファーであれば、つかまりの良い設計のモデルや、重心角を調整してフェースの開きを抑えられるモデルが有効です。『RMX120』や『RMX220』、『VD59』、『VD/X』、そして『UD+2(2021)』は、スライスに悩む方におすすめされています。
ヤマハのドライバーは、最新のRMX VDシリーズにおいて、ロフト可変幅の拡大や、重心角・重心深度・重心距離を調整できるウェイトシステムを搭載しています。これにより、購入後もご自身のスイングの変化やコースコンディションに合わせて、クラブを細かくチューニングすることが可能です。
最適な一本を見つけるための最も確実な方法は、実際に「試打」を行うことです。ヤマハゴルフスタジオ銀座や取扱店舗での試打会、試打クラブレンタルなどを活用し、ご自身のスイングデータとフィーリングを照らし合わせながら、複数のモデルを打ち比べてみましょう。また、専門のクラブフィッターに相談し、客観的なアドバイスを受けることも非常に有効です。
結論として、ヤマハは初心者からプロまで、あらゆるゴルファーの「飛び」と「やさしさ」を追求した多様なドライバーを提供しています。ご自身のゴルフスタイルと求める性能を明確にし、積極的に試打やフィッティングを活用することで、きっとあなたにとって最高のパフォーマンスを引き出す「最適なヤマハドライバー」を見つけることができるでしょう。
「ヤマハ ドライバー 飛ば ない」は誤解だった?進化と真実を総まとめ
- 「飛ばない」は高MOI設計による直進安定性の副作用として生まれた印象である
- 実際の理由は「曲がらない」性能を優先した設計思想にある
- 2019〜2020年モデルでは重心角の大きさが操作性に影響した
- 今平周吾プロが2016年モデルを使い続けたのは操作性重視のため
- 最新のRMX VDシリーズでは高MOIと操作性を両立する進化を遂げた
- 可変ウェイトシステムにより重心角や距離の細かな調整が可能になった
- 「Bull’s-eye Face」により打点の最適化と初速アップを実現した
- プロが認める操作性と直進安定性のバランスを兼ね備えている
- RMX VD59ではMOIを変えずに重心角を調整できる独自技術を採用
- スライスやプッシュアウトを抑える調整機能が備わっている
- 軽量設計のインプレスX RMXはヘッドスピード向上で飛距離を稼げる
- inpresシリーズは「ぶっ飛び」と「やさしさ」を両立した設計が特徴
- inpres DRIVESTARでは高慣性モーメントとフェース技術で安定した飛びを実現
- ヤマハはスイングに合わせた最適調整が可能な柔軟性も重視している
- 最新モデルはプロから初心者まで幅広く対応するラインナップを展開している